2016年04月25日

5月の休診日


1011121314
15161718192021
22232425262728
293031



5月は日曜日・祝日を、お休みさせていただきます。
よろしくお願いいたします。   


Posted by 鍼灸きさらぎ堂 at 23:58Comments(0)休診日

2016年04月14日

刺さないはりについて⑤

前回の続きです。

前回、刺さないはりは、身体に流れる「気」に働きかけていることを書きました。

今回は、身体に流れる「気」は、どういう状態で存在するかについて、
具体的に見ていきたいと思います。

刺さないはりを使うとき、私が持つ世界観として、以下の様に前回書きました。


人間の身体は「気」が集まって形作られており、
その「気」が循環することで、生命活動が営まれる。

目に見えない「気」というエネルギーが身体を巡って
五蔵六府が正常に機能して、人は健康でいられる。


この時に「気」が巡るルートを「経絡」(けいらく)と呼んでいます。

なにぶん、「気」は目には見えないし、現代科学で捉えることができていないので、
自分の身体にもその流れがあると言われても、ピンと来ないかもしれません。

古代の中国では、「気」の概念のもとに、医療を行うときに早くからその存在を認められ、
どのような流れがあるか探求され続けてきました。
約2000年前に編纂された、
黄帝内経(こうていだいけい)『霊枢』(れいすう)経脉篇(けいみゃくへん)
での記載により、一応の完成をみます。




手と足にそれぞれ6本ずつあり、体幹部もめぐっています。
身体の片側で12本あるので、左右合わせると24本です。
これに正中の腹側、背中側の2本を加えます。
合計すると26本の主な流れがあることになります。

「気」はこのルートを絶え間なく循環しています。
スムーズに流れていれば、五臓六腑が働き、人は自分で自分の身体を回復させながら、
健康を保つことができます。
どこかで滞れば、それを発端に不調が現れてきます。
初めは自覚しないレベルから始まり、はっきりした症状へ、
そして慢性的なものへと変化してきます。

私の行う刺さないはり治療は、
「経絡」の流れを認め、そこを流れる「気」を常にスムーズにめぐっている状態にすることが
治療時における一番の目的になります。

わかりやすいイメージとして、現実の社会では、張り巡らされた用水路をイメージして
みると良いかもしれません。

水が滞りなく流れていれば、問題はありませんが、
どこかで詰まって流れが悪くなり出すと、水質が悪化して腐ったり、
ひどい場合には、ヘドロ状になり底に溜まってしまいます。

治療はまさに、身体にあるこの用水路を掃除することに他なりません。
一番原因になっているところを取り除いてあげれば、
あとは水の勢いにより自然と流れが回復してきます。



「流れる水は腐らず」

一昨年、国立科学博物館 特別展「医は仁術」に行った際、
グッズ売り場で見つけて、思わず購入したポストカードです。

次回に続きます。

関連エントリーはこちら


  


Posted by 鍼灸きさらぎ堂 at 23:55Comments(0)診療案内

2016年04月07日

刺さないはりについて④

前回の続きです。

刺さないはりは、身体の何に働きかけているかについて、書きたいと思います。

誤解を恐れずに、結論から言いますと、
刺さないはりは、身体に流れる「気」に働きかけています。

刺さないはりを使うときには、私は、次のような世界観をもっています。

人間の身体は「気」が集まって形作られており、
その「気」が循環することで、生命活動が営まれる。

目に見えない「気」というエネルギーが身体を巡って
五蔵六府が正常に機能して、人は健康でいられる。



人は、目に見えるもの、実体として触れることができるものなど、
自分が認識、理解できることから信じていきます。

というわけで、
身体に「気」が流れていると言われても、にわかには信じがたいと思います。
私もはじめはそうでした。


伝統医学としての、はりきゅう治療の源流は、
約2000年前に編纂された中国の医学古典にあります。
黄帝内経『素問』 『霊枢』や『難経』などが挙げられます。

これらの書物の中で、「気」の概念は当然のものとして記述されています。
まずは、「気」にはたらきかけることで、身体を変化させていきます。
「気」の存在を認めずに、本来のはりきゅう治療は成り立たないのです。

「気」は現代科学では捉えられず、解明もされていませんが、
確かに存在しています。

私たちに身近なことで「気」の例をあげてみます。
人には、理屈ではないけど、気に入る、気に入らない
好き、嫌いがあると思います。
場所であったり、モノであったり、人であったり・・・
好きなものは、身体に流れている気の巡りにプラスに働いています。
嫌いなものは、マイナスに働き、巡りを悪くしています。

なんとなく・・・、言葉にはできないけど・・・、ということは良くあることです。


「気」をベースにした伝統医学は、現代科学とは全く別の体系、世界観です。
約2000年前の中国においては、最先端の医学であり、
それで人(おもに王侯貴族)を治療していました。

そこから長い年月が過ぎ、周囲の環境は激変しましたが、
人間の身体の造りはその頃のままです。

「気」の概念に基づいた医学は、
現代の医学と同じ土俵で考える必要はないと、現在の私は、理解しています。

ちょっと抽象的な話しになってしまいましたが、
次回以降はもう少し踏み込んで書いていきたいと思います。

関連エントリーはこちら


  


Posted by 鍼灸きさらぎ堂 at 00:16Comments(0)診療案内