2016年04月07日

刺さないはりについて④

前回の続きです。

刺さないはりは、身体の何に働きかけているかについて、書きたいと思います。

誤解を恐れずに、結論から言いますと、
刺さないはりは、身体に流れる「気」に働きかけています。

刺さないはりを使うときには、私は、次のような世界観をもっています。

人間の身体は「気」が集まって形作られており、
その「気」が循環することで、生命活動が営まれる。

目に見えない「気」というエネルギーが身体を巡って
五蔵六府が正常に機能して、人は健康でいられる。



人は、目に見えるもの、実体として触れることができるものなど、
自分が認識、理解できることから信じていきます。

というわけで、
身体に「気」が流れていると言われても、にわかには信じがたいと思います。
私もはじめはそうでした。


伝統医学としての、はりきゅう治療の源流は、
約2000年前に編纂された中国の医学古典にあります。
黄帝内経『素問』 『霊枢』や『難経』などが挙げられます。

これらの書物の中で、「気」の概念は当然のものとして記述されています。
まずは、「気」にはたらきかけることで、身体を変化させていきます。
「気」の存在を認めずに、本来のはりきゅう治療は成り立たないのです。

「気」は現代科学では捉えられず、解明もされていませんが、
確かに存在しています。

私たちに身近なことで「気」の例をあげてみます。
人には、理屈ではないけど、気に入る、気に入らない
好き、嫌いがあると思います。
場所であったり、モノであったり、人であったり・・・
好きなものは、身体に流れている気の巡りにプラスに働いています。
嫌いなものは、マイナスに働き、巡りを悪くしています。

なんとなく・・・、言葉にはできないけど・・・、ということは良くあることです。


「気」をベースにした伝統医学は、現代科学とは全く別の体系、世界観です。
約2000年前の中国においては、最先端の医学であり、
それで人(おもに王侯貴族)を治療していました。

そこから長い年月が過ぎ、周囲の環境は激変しましたが、
人間の身体の造りはその頃のままです。

「気」の概念に基づいた医学は、
現代の医学と同じ土俵で考える必要はないと、現在の私は、理解しています。

ちょっと抽象的な話しになってしまいましたが、
次回以降はもう少し踏み込んで書いていきたいと思います。

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Posted by 鍼灸きさらぎ堂 at 00:16│Comments(0)診療案内
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